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インカムやトランシーバーは、いつでも手軽に相手とコミュニケーションが取れる、非常に便利な機器です。運送業界や建設現場で使われるケースも多いですが、実はそれ以外にも、さまざまな業務で活躍が期待できる機器でもあります。
今回は、医療現場での業務における、無線機やインカム、トランシーバーの有用性について解説していきます。おすすめする理由や、実際の活用シーン、そして導入に向いている機器について、ぜひ参考にしてみてください。
医療現場における業務は、さまざまな立場の人が、協力体制の中でこなしていくものです。その業務は決して簡単なものではなく、ときには患者さんの命に関わるような場面も存在しています。いかに素早く、そして正確に情報を伝達するのかが、安心・安全な医療体制の確立や、業務効率アップのために欠かせないポイントとなります。
これまで、医療現場における情報の伝達は、非常にアナログな方法で行われてきました。人から人へと直接言葉で伝えたり、患者さんのカルテに情報を記載したりして、必要な情報をやり取りしてきたのです。
しかし日々の業務に追われる中で、全ての情報を確実に伝えるというのは、決して簡単なことではありません。アナログな方法を選択すれば、大なり小なりタイムラグが発生してしまいますし、後回しにしているうちに、伝達そのものを忘れてしまうことも考えられるでしょう。
こうした特徴を持つ医療現場だからこそ、活躍してくれるのがトランシーバーです。ハンズフリーでいつでも手軽に情報のやり取りを行えるほか、多人数で同時に同じ情報を受け取ることも可能となっています。
医師から発信された情報を、看護師や検査技師、サポートスタッフなどが同時に把握することができれば、その場で素早く自分の仕事をスタートできます。情報が伝達されるまでのタイムラグを、無駄にすることもありません。
医療現場にトランシーバーを始めとする無線機器を導入する場合、医療機器に影響を与えない電波方式を採用していることが重要です。医療機器に影響を与えないトランシーバーであれば、安心して使用できます。病院で医療サービスを提供する側にとっても、反対に医療サービスを受ける側にとっても、より充実した環境を用意できることでしょう。
では次は、実際の医療現場におけるトランシーバーの活用シーンについてお伝えします。3つのシーンを紹介するので、ぜひトランシーバー活用のヒントを見つけ出してみてください。
手術中の医師は、目の前の患者に集中することになります。そしてそんな医師をサポートするために、さまざまなスタッフが待機しています。
ハンズフリーで情報を発信できるトランシーバーを使えば、執刀中の医師が、体勢を崩すことなく外部と情報を共有することが可能です。医師の指示がサポートスタッフへと届くことで、よりスピーディーな対応も可能となるでしょう。
同時会話人数が多いタイプのトランシーバーを使えば、1回の指示で、多くの関連スタッフと情報を共有することができます。またやり取りしている情報のプライバシーを、守ることにもつながるでしょう。
トランシーバーを上手に活用することで、執刀医とサポートチームの一体感はより強まるはずです。手術室の外にいるスタッフも含めて、チーム全体で一つの手術に取り組むことができます。
病院には、体調を崩した人が多く集まってきます。多くの患者さんが集まる病院において、問題になりやすいのが待ち時間です。待ち時間が長くなれば、体調面で不安を訴える患者さんも少なくありません。また感染予防の面からも、できるだけ速やかに案内・診察を受けられるシチュエーションが理想的です。
トランシーバーによりスタッフ同士の情報交換を密に行うことができれば、患者さん一人一人の案内も、スムーズに行うことができるでしょう。混雑している検査項目を後回しにして、空いているところから順番に案内することも可能となります。
また手が足りていない部署や緊急性の高い要件が生じたときには、いつでも手軽にサポートを要請することもできます。
受付から各診療科への情報伝達も素早く行えますし、医師との情報共有も確実に行うことができます。患者さんの案内に余計な時間を費やすこともありません。
入院施設を備えた病棟で、欠かせないのが夜勤です。日勤よりも限られた人員で、病棟内のケアを担当することになります。
人数が少ないからこそ、お互いがお互いの状況を確実に把握できるということは、非常に重要なポイントとなります。夜勤中に何らかのトラブルが発生した場合でも、トランシーバーを通じて、チームとして仕事を行うことが可能となります。
夜勤を担う看護師・医師の負担軽減にも役立つでしょう。
非常に忙しく、スタッフの手が足りていない!と感じることも多い医療現場だからこそ、トランシーバーも賢く使ってスムーズな情報共有を目指しましょう。
医療現場においても安心して使うことができ、ストレスフリーで情報のやり取りができる機種を2つ紹介します。
2.4GHz帯の周波数を利用した、多人数同時通話型無線システムです。医療機器への影響を心配することなく、快適に扱える特定小電力同時通話トランシーバーとなっています。
同時通話人数は5人。6台目以降は、受信専用で使えます。本体のB-EARボタンを押すことで、同時通話機器を切り替えることができるので、あらゆる人が情報を入手できると共に、自分の手元にある情報を発信することが可能です。
薄さ17ミリ、重さ88グラムの軽量コンパクトサイズで、長時間装着していても負担になりにくい点もメリットの一つです。
また小さな声でもしっかりとキャッチし、相手の元へと届けてくれますから、「スタッフ同士の会話を患者さんに聞かれたくない」といった場面でも、しっかりと活躍してくれます。
既存の無線LANやネットワーク回線などを利用して、情報のやり取りを行うトランシーバーです。人数制限や時間制限がないところが、非常に大きなメリットの一つ。一人のスタッフから発信された情報を、病院全体で共有することも可能となっています。
こちらの機器を使えば、建物内のどこにいても情報を送受信することができます。「地下だから」といった理由で圏外になることはありませんから、緊急時でもリアルタイムで対応できます。
割り込み通話機能やIP57の防塵・防水性能、また無線LANアクセスポイント情報から、相手の現在の位置情報をざっくりと捉えることが可能となります。
さまざまなスタッフがチームで働く医療現場だからこそ、それぞれが保有している情報を、できるだけ素早く確実に共有することが大切です。緊急性の高い事案が発生した場合においても、各スタッフが確実に情報共有を行うことで、スムーズな対応が可能となります。
トランシーバーにはそれぞれ特徴があり、その中には医療現場でも安心して利用できるタイプも存在しています。医師や看護師、検査技師に受付スタッフなど……さまざまな立場の人が情報を共有できる仕組みを整えておくことで、よりスムーズな仕事にもつながっていくでしょう。
医療現場で使えるトランシーバーは、購入で用意する方法とレンタルで用意する方法があります。日常的に使用するなら、購入した方がコスト面でのメリットは大きくなります。とはいえ、「実際に使ってみないとベストな機器はわからない」なんてこともあるはずです。
このような場面においては、購入前のお試し期間として、レンタルトランシーバーを活用するのもオススメです。現場の声や実際のシチュエーションをチェックしながら、ベストな機器選びができるでしょう。