初めて無線機を導入しようとした際に、「どの無線機を選べば失敗しないのだろうか」と悩む方は少なくありません。無線機選びで失敗すれば、「必要な機能が使えなかった!」「こんなはずじゃなかったのに……」なんて不満を抱えることになってしまうでしょう。失敗を防ぐためには、各無線機の特徴を把握することが大切です。今回は「MPT-100」の特徴や導入メリットについて、わかりやすく紹介します。
MPT-100は、モバイルクリエイト(MOBILE CREATE)という会社が作っている無線機です。車載・固定タイプのIP無線機で、ボイスパケットトランシーバー、いわゆるボイパケと呼ばれるタイプに当てはまります。
ドコモの電波を使っているIP無線機なので、ドコモの電波が届く範囲であれば、日本全国で使用可能。いつでも手軽に、相手と情報のやり取りをすることが可能です。
モバイルクリエイトは、2002年にモバイルソリューションビジネスを目的として設立した会社です。2009年には携帯電話のパケット通信網を利用したIP無線機「ボイスパケットトランシーバー」を開発。その後も、携帯電話による配車予約システム「モバイルコール」や「携帯電話パケット通信網を利用した業務用無線システム」など、無線機とGPS位置管理システムを中心に開発・提供しています。
MPT-100は、そんなモバイルクリエイトの製品の中でも、人気度が高いものの一つです。車載型IP無線機を希望するなら、検討してみて損はないでしょう。
MPT-100には、以下のような特徴があります。IP無線機導入の前に、具体的なメリットが知りたい!という方はぜひ参考にしてみてください。
MPT-100は、ドコモFOMAエリア通信網を使っているため、全国で使用することが可能です。一般的な無線機で問題になりがちな、「電波の届く範囲」でトラブルが起きることはありません。また、全国各地の支店で導入し、支店同士・本部との連絡手段として活用することもできます。
またパケット通信を利用しているため、災害時でもつながりやすいという特徴もあります。音声回線と比較して、通信制限を受ける可能性は低いと言えるでしょう。
MPT-100には、サウンドイコライザー機能が搭載されています。無線機では、「相手の音声が聞き取りづらい」という問題が発生することもありますが、こちらの機能を使えば、周囲環境に合わせて、今の状況でもっとも聞き取りやすい音質を選択することができます。
またマイクの感度も自由に調整が可能。相手に対して、クリアな音声を届けることもできるでしょう。コミュニケーションの際に、ストレスを感じるリスクを低減できます。
さらにMPT-100には、受信した音声を録音し再生できる機能を搭載。忙しいときでも、情報の聞き逃しを防いでくれます。
機器の電源を切り忘れてしまったとき、問題になるのがバッテリー上がりです。MPT-100には、一定時間マイク操作がされなかった場合に、自動的に電源をオフする機能が搭載されています。電源オフまでの時間は、4時間・8時間・12時間・24時間の中から好みで設定することが可能。使い勝手の良さとバッテリー上がりのリスク低下、両方をバランスよく追求できます。
「モバロケ」は、モバイルクリエイト(MOBILE CREATE)が提供する動態管理システムです。インターネット環境さえ用意できれば、常に移動している物や人の位置情報を把握し、総合的に管理できます。
GPS情報をこまめにチェックできるだけではなく、その移動軌跡を確認することも可能。過去3ヶ月間のデータをチェックできるので、より効率的な移動方法を考えたいときにも役立ってくれるでしょう。
また、GPSを使ってこまめに位置情報を特定することで、運転中の車の速度を計測することも可能に。ドライバー向けの安全運転講習にも役立てられます。
MPT-100には、以下のような通話モードが搭載されています。
状況に応じてぴったりな通話モードを選べるので、情報伝達に手間取ることはありません。またよく使う通話モードは、ショートカットボタンに登録可能。ボタン一つですぐに呼び出すことができるので、より使いやすくできるでしょう。
DTU-1A、ロジたこは、株式会社システックが提供するデジタルタコグラフです。MPT-100は、こちらのシステムとの連携も可能。まずはデジタコを使って、運行データを取得します。その情報をボイスパケットトランシーバーからクラウド上へと移し、法廷三要素となる運行データを保存します。
このほかにも、タクシー配車アプリや自動日報、カーナビやタクシーメーターとの連動も可能です。拡張性が高く、業務内容に沿った形で、より便利に導入することができるIP無線機です。
IP無線機の中でも特徴的なMPT-100。どんな業種にもおすすめというわけではありませんが、GPS機能や幅広い拡張機能を活用しやすい業種であれば、業務効率化のサポート役を担ってくれることでしょう。
MPT-100の導入をおすすめしたい業種としては、以下のようなものが挙げられます。
タクシー会社や運転代行会社は、車の動きや配置、稼働状況が非常に重要な意味を持つ業種です。車載器であるIP無線機MPT-100を導入すれば、ドライバー同士の情報共有だけではなく、本部から各ドライバーへの指令も飛ばしやすくなります。
配車アプリやタクシーメーターとの連携もできるので、単純な通信手段としてだけではなく、業務全体を支える機器として導入できます。GPS位置管理システムを活用すれば、過去のデータを参考にしながら、より多くの顧客を獲得するための戦略を練ることもできるでしょう。
幼稚園やこども園の中には、専用バスによる送迎を行うところも少なくありません。運行中にもこまめに園とのやり取りを行ったり、また日々の運行状況に関するデータを収集したりするため、MPT-100の導入を検討するのがおすすめです。
渋滞や園児の欠席など、バス側から園に伝えたいことがあれば、音声通話機能ですぐに情報を届けられます。複数バスを運行している園の場合、スタッフ同士の連携もとりやすくなります。GPS位置管理システムを使えば、バスが今どこにいるのか即時にチェックできますし、速度確認で子どもたちの身の安全も守りやすくなります。
過去の運行実績から、より効率の良いバスルートを導き出すこともできるでしょう。
MPT-100は、専用ステーを使うことで、自動車の運転席に気軽に取り付けられるIP無線機です。音声通話用の通信機器として利用すれば、日本全国各地の相手と、すぐに情報をやりとりできます。
またIP無線機・MPT-100の魅力はそれだけではありません。連携できるシステムの数や種類も多く、業種別に必要な機能を組み合わせて使用することが可能です。車載型のIP無線機なので、主に車を使った業種におすすめの無線機にはなりますが、工夫次第でさまざまなシーンで活躍してくれることでしょう。
今はまだ無線機としての機能だけしか求めていなくても、事業形態の変化と共に、将来的に別の機能が必要になる可能性もあります。MPT-100が連携できる機能の中に気になるものがあれば、まずはMPT-100の導入を検討してみるのもおすすめです。この先の流れを予測しながら、連携システムの導入についても、少しずつ検討してみてはいかがでしょうか。